こんにちは。wiwiw介護アドバイザーの角田です。
グループホームやユニット型施設では、
食事の準備を入所しているお年寄りがしているところがあります。
施設の職員と一緒に野菜を切ったり煮炊きをしたりする本格的なところから、
出来上がった料理を茶碗やお皿に盛り付けるのを手伝うだけのところまで様々ですが、
共通しているのは、
お年寄りが料理の匂いをかぎながら食事の時間を待つことができることです。
おいしそうな匂いを嗅ぐとお腹がグーッと鳴るのは、
胃が受け入れ準備を始めるからだそうです。
その後に食事をすれば、胃液もたっぷり出て消化吸収がよくなることでしょう。
今は、対面キッチンやオープンキッチンが流行のようで、
料理を作るところと食べるところがつながっています。
キッチンが独立していてもよほど広い家でない限り、
食卓に調理中の匂いが漂ってくるのではないでしょうか。
それが、家庭で作って食べることの良さだと思います。
これを施設でも実践しようというのが、先に挙げた取り組みです。
知り合いの家では、
寝たきりに近いお年寄りのベッドをリビングダイニングの隅に置いています。
和室も寝室もあるのに、
おばあちゃんはそこがいいと言って譲らなかったのだそうです。
いつでも家族が見えるからという理由とともに、
台所の音や湯気や匂いが大好きだからだそうです。
長い間台所がおばあちゃんのお城だったので、
その近くに居たいということなのかもしれません。
見守りサービス付きの配食弁当は、
高齢になって調理が面倒になったりできなくなった人や、
離れて暮らす家族や仕事等で忙しい家族にとってはとても便利なものなので、
上手に使いましょうと勧めています。
一方で、食事を作って食べることは、
人間らしい営みの最たるものですから、
できるだけ長くそれが続けられるように応援したいし、
家族にも頑張ってほしいなあと思います。
お正月は、一年中で一番“和食”を食べるときだと思います。
それぞれの家庭に伝わるお節料理やお雑煮を、
お年寄りから聞いて作ってみてはいかがでしょうか。
認知症になっても、
身体が覚えた記憶は残っていることが多いそうで、
おいしそうな匂いは、たくさんの思い出を呼び覚ましてくれるでしょう。
おじいちゃん、おばあちゃんの知恵を今のうちに伝承しておくと、介護者の人生も豊かになる気がします。
つのちゃん
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