こんにちは。wiwiw介護アドバイザーの角田です。
介護を親孝行とか恩返しという精神論で考えると、仕事を辞めて介護しなければと思ってしまうかも
しれません。
仕事と両立させるには、介護をプロジェクトと考えてみるといいでしょう。
介護保険の利用は、目標を達成するための計画を立てる点で、企業活動におけるプロジェクト管理に
似ています。
ケアマネジメントの流れは、
①インテーク(サービス利用前の面接)→②アセスメント(生活課題の分析)→③ケアプランの作成
→④サービスの実行→⑤モニタリング(現状を観察して把握)→⑥サービスの評価→⑦フィードバック
です。
プロジェクト管理におけるPDCAサイクルと同じですね。
要介護・要支援の高齢者が介護保険サービスを使うとき、ケアマネジャーが本人と家族と面談して
ケアプランを立て、皆の合意の上でケアプランが決まります。
たとえば、「膝が痛い」という困りごとに対して「膝が痛くなくなる」ことを目標にして、
治療やリハビリの計画を立てたとします。
よくあるケアプランですが、実はこれは介護におけるケアプランではなく、医療におけるケアプランと
いえます。
介護におけるケアプランでは、本人には「どんな暮らしをしたいと考えていますか?」といった質問をし、
膝が痛くて歩いたり長時間立っていられないので今はできないけれど、
「散歩に行きたい」「台所で料理がしたい」という願いをもっているなら、
それを実現するためのケアプランを立てます。
ケアプランの中には、治療やリハビリも含まれますが、高齢者では、膝の痛みを完全になくすことは
不可能なケースもあります。
それならば、車いすで散歩に行くのはどうかと提案し、車いすをレンタルし、散歩に付き添う人の手配
(介護保険サービスの利用が難しい場合はボランティアや他のサービスを利用)をします。
座って料理ができるように設備を工夫したり台所の改修の相談に乗ることもケアマネジャーの役割に
なるでしょう。
もちろん家族もケアチームのメンバーとして関わります。
車いすで散歩に行ったら、知り合いに声をかけられて久しぶりにお喋りできて楽しかった。
公園や街の風景を見られ、外の空気を吸ったせいか食事がおいしく、良く眠れた。
こういう好循環に入ると、膝の痛みを改善したいという意欲がわいてきて、家で体操するだけではなく、
デイケアや地域の体操教室に参加してみようという気持ちになるかもしれません。
要介護状態になっても日常生活は続きます。
プロジェクトの目標は、その暮らしを少しでも楽しく送れるようにという願いを込めたものにし、
またそれをかなえられるケアマネジメントを目指したいですね。
つのちゃん
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