5年後に発行される新紙幣の肖像に、渋沢栄一と津田梅子と北里柴三郎が選ばれました。3人にゆかりのある地域や大学は、喜びに沸いています。
このニュースでクローズアップされたのが、家庭に保管されているタンス預金。
2019年度の日本の国家予算は、101.4兆円。
2018年大晦日、一般家庭や企業、金融機関などで年越しをしたお札の総額は、110.4兆円(日銀発表)。
それに対して、50兆円がタンス預金だというのです(2019年1月末:第一生命経済研究所の推計)。
大規模水害が起きたときに、ある金融機関が避難者がお金を引き出せるように避難所に臨時のATMを設置しました。すると、家から持ち出したお金を預ける人のほうが多くて、1時間半でATMがお金で一杯になってしまったとか。
なぜこれだけのお金が家の中に蓄えられているのでしょうか。
それは、
①銀行の預金金利が低い
②金融機関が破たんした場合、1000万円しか保護されない
③相続税対策
などが理由だと思います。
高齢者の場合は、それらに加えて、銀行に行けなくなったらどうしよう、認知症になってお金を下せなくなったらどうしようと、自分のために使えるお金を家に保管しておきたいという理由もあるようです。
しかし、認知症になって記憶障害がおこり、タンス預金のことを忘れてしまったらどうなるでしょう。
泥棒に盗まれないように、靴箱や押し入れの布団の間、床下収納庫や冷蔵庫など、知恵を絞って隠したお金、子どもにも知らせずに貯め込んだお金が、親の死と共に葬られてしまいかねません。
また、詐欺にあった高齢者が、何百万円ものお金を短時間で用意できたのは、家に現金があったからではないでしょうか。味を占めた詐欺師は、同じ高齢者を何度も騙すらしいです。
親子間でお金の話をするのはタブーだからと避けていると、親御さんが、いつ被害にあうかわかりません。
タンス預金は危険をはらんでいることを認識して、認知症に備えたお金の管理が必要になります。
次回のブログで、対応策をご紹介します。
5年後には、「旧紙幣は使えないので新紙幣に替えてあげましょう」という高齢者を狙った詐欺が横行しそうですね。
つのちゃん
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