介護アドバイザーの角田です。
コロナ禍で私の仕事は基本在宅勤務となりました。
それが可能なのは、情報通信技術が発達して、パソコンで書いた文章を簡単に共有できるし、研修や個別相談会、会議をTeamsやZoomなどで行えるからです。
テレワークに向く職種は在宅勤務に適していると言えるでしょう。
一方で、利用者の身体を直接触るケアを身体介護といいますが、これはテレワークには向きませんし、在宅勤務はあり得ません。
訪問介護のヘルパーさんは、自分がコロナに感染するリスクと自分が高齢者にコロナを感染させてしまうかもしれないリスクを常に抱えながら、訪問介護を続けています。
あるヘルパーさんは、1日に何件も訪問するので、着てきた上着を自転車の籠に残してお家を訪問し、
入念に手を洗い手指の消毒をして、マスクと使い捨て手袋、防護服、場合によってはフェイスシールドをつけてケアをしています。
自宅に高齢者と子供がいるので自分がコロナに感染したら困るから、
あるいはヘルパー自身が高齢のため危険な仕事は辞めてと家族に言われて泣く泣く退職した同僚などがおり、その分のシフトが増えて大変になったとか。
訪問介護がなかったら生活できない利用者さんの顔を思い浮かべると、頑張るしかないと言っていました。
ヘルパーさんはこんな大変な仕事を担ってくださっているのに、コロナワクチン接種の順番が遅すぎるではないかと筆者は怒っております!
ところで、仕事と介護を両立させている人が在宅勤務になったらどうなるでしょう。
子供が家にいるのだから、クラスターが発生するリスクのあるデイサービスに行かせる必要はない。
ヘルパーがコロナウィルスを運んでくると怖いから訪問介護は中止しよう。
その結果、家で仕事をしたいのに介護に追われてしまったという人が大勢います。
家に一緒にいる時間が増えるとお互いの様子が見えるので、
子供は「こんなに弱っていたのか、もっと手助けをしてあげなくちゃ」、
親は「いつも子供がいるから安心だ。もっと頼っていいんだ」と介護依存度が高まるように思います。
仕事に集中していても、親に声をかけられればそちらに気持ちが移ってしまい、実際に介護をしてしまいます。
こんな状態では仕事が思うようにはかどらず、親が寝た後に仕事をしている人もいます。
仕事と介護を両立させるには、介護をプロジェクトにすることが大事です。
在宅勤務をしていて「家にいるから介護ができる」と自分一人で介護を背負ってしまったら、オーバーワークになってしまいます。
家で仕事をする時間を確保するために、他の人に介護を代わってもらう算段をしましょう。
そのために、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談することを忘れないでいただきたいと思います。
在宅勤務は通勤時間がいらないという大きなメリットがあります。
しかし、通勤時間が唯一の自分の時間で読書をしたり音楽を聴いたり、何より運動になっていたという人も少なくありません。
在宅勤務で仕事と介護を両立させるためには、自分が一人になれる時間をいかに見つけるかも大切なことですね。
つのちゃん
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