介護アドバイザーの角田です。
脳の中で認知症の原因になる「レビー小体」を筆者は顕微鏡で見たことがあります。
まん丸の小さな物体で、ピンクに色付けされていました。
こんなに小さい物体が脳に悪影響を与えて認知症状を引き起こすのかと不思議な気持ちになりました。
レビー小体型認知症と診断されるとき、「脳の検査でレビー小体が見つかりました」と言われることはありません。
なぜなら、レビー小体は死後に脳を解剖して初めて発見することが出来るからです。
レビー小体型認知症は、MRI、脳血流SPECT、MIBG心筋シンチグラフィという画像検査で特徴的な画像が見られることや、リアルな幻視があることで鑑別診断されることが多いそうです。
食卓に虫がいる
ソファーに大きな動物が寝ている
ドアのところに子供が立っている
壁の模様が動く
実際にありありと見えるので周りの人に伝えると「見えない、いない」と言われてショックを受けることが多いそうです。
筆者が素敵だなと思った家族の対応を紹介します。
「認知症の人に嘘はつきたくないので、『あっそうなのね。そういう風に見えるのね。私には見えないけど』『へえ、面白いね』と言います。よく出てくる幻視には名前を付けて『今日も自転車男はいる?』って話しかけることもあります。」
家族にこのような対応をしてもらえると、本人も
これは幻視なんだと面白がる
こんなものが見えているんだぞと得意がる
というゆとりが生まれます。
発症から1年くらいは良く見えていたのに見えなくなって寂しい
抗認知症薬が効いて幻視が治まった
という話も聞きました。
幻視は怖い、ありえない、どうしようと不安になりますが、幻視で亡くなった人はいないそうです。
介護家族が認知症の症状としての幻視に興味を持って、前向きに受け止めることが出来たらいいなあと思いました。
つのちゃん
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