2022年4月より改正育児・介護休業法が施行され、男性社員にとっても「育休を取得しやすい」環境づくりを行うことが、事業主に新たに義務づけられました。
wiwiwでは、改正法の施行直前である3月30日に、男性社員の育休取得推進施策として「社内短期留学の取り組み」など、先進的に実施されているMSD株式会社をお招きし、事例紹介セミナーを開催しました。
当日は年度末のお忙しい中、55社64名のご担当者様にお申込みいただき、ありがとうございました。
本blogでセミナー開催レポートを報告させていただきます。
■セミナー参加者様の声(一部抜粋)
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- 長期不在者の代替要員として、「社内短期留学」という新しい視点の取り組み例を知ることができた。
- 「自分が抜けて業務が心配」などの理由で取らない男性が少なくない中、「社内短期留学」は非常にいいと思いました。(弊社は)社内副業制度を今年から始めており、うまく育休職者のために使えないかと、ヒントをいただきました。
- 行っている取組みのブラッシュアップにつながった。
- 社内短期留学は、部署によって業務量に偏りがある場合にも利用できるような仕組みだと感じました。
- 社員自発的なネットワークや仕組み、褒める文化、「お互い様精神」などを聞けて参考になった。
それでは、MSD株式会社様にご講演いただいた男性育休取得推進のお取り組みについて、ポイントを一部抜粋してご紹介いたします。
■セミナー概要
【講演タイトル】
誰もが自分らしく働ける会社へ! ~MSDのD&I~
【プレゼンター】
MSD株式会社人事部門人事グループディレクター 松岡氏
MSD株式会社人事部門MRL/MMD HRビジネスパートナースペシャリスト 望月氏
【講演内容】
◆男性の育休取得推進を進めるにいたった背景
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- 「社員が持つあらゆる違いを強みの源泉ととらえ、社員と会社の成長につなげる」という考えのもと、企業として生き残るビジネス戦略として、D&Iに取り組んでいること。
- 子育て支援という観点において、男性の育休取得率は高い一方で、取得者の約8割が1週間以内と短いという課題があった(2020年)。
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◆取組概要
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- 2021年10月より、法改正に先駆け、育休に関する制度改定を行った
✓1週間以上取得する場合に約3ヵ月間(60営業日)の育児休業を有給化
✓法改正に先駆けた分割取得
✓育休中のちょっとだけ勤務(以前から引き続き)
✓対象範囲の柔軟化(パートナーの子ども、単身赴任者の子ども)
- 2021年10月より、法改正に先駆け、育休に関する制度改定を行った
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- 男性が育休を取得することで生まれる職場の“休まれると困る”というネガティブな感情を、他部署の社員が手上げ制で育休取得社員の代替に入るという「”社内短期留学”の仕組み」を運用することで、さまざまな部署・業務を経験できる“成長のチャンス”という位置づけに変え、ポジティブにとらえられるようにした。完全にポジションが埋まるということがなく、安心して復帰できるというメリットもある。
※育休取得者だけではなく、周囲の社員の経験を拡げる機会に活用すべく、導入されています。
- 男性が育休を取得することで生まれる職場の“休まれると困る”というネガティブな感情を、他部署の社員が手上げ制で育休取得社員の代替に入るという「”社内短期留学”の仕組み」を運用することで、さまざまな部署・業務を経験できる“成長のチャンス”という位置づけに変え、ポジティブにとらえられるようにした。完全にポジションが埋まるということがなく、安心して復帰できるというメリットもある。
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◆取組による成果
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- 数値でみる成果:2020/11~2021/10⇒2021/11~2022/4 の男性の育児休業取得状況比較
✓平均取得日数:14.6日 ⇒ 29.8日
✓30日以上の取得:12% ⇒ 35%
- 数値でみる成果:2020/11~2021/10⇒2021/11~2022/4 の男性の育児休業取得状況比較
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- 社員の声:
「他部署から短期留学してきた社員の何気ない意見が新たな視点となり、業務改善につながった」など、男性育休がポジティブな機会として発信されている
- 社員の声:
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◆成果につながった取組のポイント
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- 男性育休取得推進を経営戦略として落とし込み、D&Iの一部、お互い様精神で取り組む、というメッセージをトップダウンで理解、浸透させ、各職場へマネジメントがなされている。
- より働きがいのある職場を実現するために、社員が自主的にネットワーク組織をつくり、学びの場やイベントを企画・運営し、会社への提言を行うなどのボトムアップが起きる仕組みづくりがなされている。
- 全社員に対してD&I浸透のための目標設定や実践を課し、良い取り組みをした社員には速やかにアワードを与える仕組みがあり、会社として自ずとD&Iにアンテナが立つような風土づくりを行っている。
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「社内短期留学」という名称をつけることで、育休中の社員の代替要員、といったネガティブなイメージから、本人のキャリア形成につながるポジティブな印象を生み出しており、柔軟な発想、モノゴトのプラス面を捉えることの大切さを改めて感じました。
また、D&Iはトップダウンで進める企業が多く、なかなか浸透しないという悩みを聞くことが多いですが、トップダウンでありながら、全社員1人1人がD&I浸透のための目標設定を自ら行うことで、「やらされるD&I」ではなく「自分発信のD&I」になり、取組に継続性が生まれるという点が、多くの企業にとって参考になったのではないかと思います。
wiwiwでは、多様な人材の活躍によるより良い社会の実現に向けて、個社ごとの課題を把握し、風土醸成・理解促進の手助けをする各種サービスと、これらを組み合わせた推進パックを準備しております。ご関心のあるサービスがございましたら、お気軽にご相談くださいませ。
【次回セミナー予定】
①5月24日(火)wiwiw公開セミナー
②6月15日(水)育休者対象 wiwiwL!VE キャリアデザインセミナー
詳細はメルマガ、イベントセミナー情報 | 株式会社wiwiwにて公開いたします。