5月に開催したwiwiw公開セミナーでは、ダイバーシティに関する理解の浸透や当事者意識の醸成などにおいて壁にぶつかっている多くの企業様にお役立てできるよう、東京海上日動火災保険株式会社様にご登壇いただき、経営戦略としてのトップダウンからの取り組みだけでなく、ボトムアップ施策を有効に組み合わせながら組織風土を変革されている事例をご紹介しました。
当日は、56社73名のご担当者様にお申込みいただきました。誠にありがとうございました。また、本セミナーの開催後のアンケートにて、全ての方に役に立ったとお答えいただきました。
それでは、本blogでセミナー開催レポートを報告させていただきます。
■セミナー参加者様の声(一部抜粋)
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- 「女性活躍推進」を「ジェンダーギャップ」という言葉に変えて発信している点が参考になりました。
- 「皆が管理職を目指す」ではなく、「一人ひとりが働きたい姿を目指す」という方針が、当社が取り組もうとしている方針と全く同じで、検討しようと思える施策がたくさんありました。
- ジェンダーギャップ解消に向けて目指す姿や取組みが弊社とも重なる部分が多く、取り入れてみたいと思う諸施策もあり、大変参考になりました。
- 管理職、マネジメント層が実施すべきメンバーへのフォローアップや、心理的安全性を高める具体例をしっかりと聞かせていただきました。
- 頑張りたくない、昇進したくない、という女性に対してのアプローチについて伺うことができ、参考になりました。
■セミナー概要
【講演タイトル】
誰もが活躍できる組織へ D&I ボトムアップ施策からのアプローチ
【プレゼンター】
山下 真粧子氏
東京海上日動火災保険株式会社 理事 西東京支店長
【講演内容】
◆ダイバーシティ&インクルージョン推進の取り組み(会社全体)
全社員の意識変革には、経営トップが明確にビジョンを示し、真剣な取り組みであることを明示することが最も重要と話され、以下の取り組みについてご説明いただきました。
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- 「社員1人ひとりの発意と挑戦・働きがい向上」と「D&I推進によるイノベーションの創出」により、「会社の成長と社員の成長」を実現することを目的に取り組んでいる。
- 企業風土醸成に向け、2017年よりアンコンシャス・バイアスの理解浸透に取り組んでおり、全国の部店長~全管理職~現在では全社員を対象としている。
- 機会の差を解消し、誰もが「働きがい」を実感しながら活躍できる環境づくりに向け、ジェンダーギャップの解消をすすめ、あらゆる意思決定の場に、女性が当たり前に参画している状態を目指している。
⇒管理職以上の女性比率:2030年度までに30%を達成する方針(2021年度現在9.5%) - ジェンダーギャップの解消の実現に向け、女性社員を対象に、各階層別にスキル面・マインド面の向上や、ネットワーク構築を目的とした研修やワークショップを行っている。
◆ボトムアップ施策から(現場起点)の社内変革
会社トップの方針を受け、山下様が支店長として統括されている西東京支店において、現場トップとして実行されている取り組みのポイントをご紹介します。
✓思い切った役割の付与 (3つのK)
本人に対し、期待を明示し、機会を与え、最後までフォローする(鍛える)
(ex. 支店のうち5つのグループ全てに女性統括を配置)
✓誰一人取り残さない育成 (ママきら会の開催)
マミートラック防止、自己研鑽のための育児中の女性社員のネットワークづくり
育児中ならではの現場・会社への施策提言をする場としての活用
✓心理的安全性を高める
支店長・管理職自らが、所属店やチームにおける自身の行動目標やチャレンジを明示したり、社内SNSにて、日々、支店長がメッセージを配信したりすることで、理解浸透、活発な意見交換が生まれている
✓社内人的ネットワークの構築
女性部支店長の草の根ネットワーク”WE-Net”の活動
⇒役員、部長クラスの女性を紹介したり、交流会の様子を発信したりすることで、マネジメント層とメンバーとの距離を縮めている
◆Q&A
Q.:「これ以上頑張れない、自分にはできない」と訴える社員はどうすればいいでしょうか。」
A.:「必ずしも管理職という役割ではなく、本人が“働きがい”を実感しながら活躍できるような後押しをすることが大事。自分に自信がないのか、目立ちたくないのかなど、“なぜ”できないのかをとことんヒアリングをすることで、実現できる役割を提示しています。」
Q.:「社員一人ひとりに対して、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンを腹落ちさせるためには何が効果的であるとお考えですか。」
A.:「まずはリーダーが明確にビジョンを示し、真剣な取組であることを明示すことが最も重要だと思います。あとは、メンバーには思い切って役割を与えること、リーダーが責任をもって最後まで見届け、フォローしながら、成功体験を積ませることで周囲も認める結果を出すことが一番重要だと思います。この繰り返しによって、チャレンジする風土が醸成されています。」
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山下様ご自身が現場レベルで様々な施策を実行することで、メンバーにもチャレンジする組織風土が浸透し、他支店にも展開されているという循環が生まれている好事例を大変わかりやすくお話しいただきました。
女性活躍推進というネーミングではなく、「ジェンダーギャップの解消」=機会の差の解消である、という解釈や取り組み事例は、セミナーに参加された多くのご担当者にとって大きなヒントになったようです。
いかがでしょうか。トップダウンとボトムアップの相乗効果で、組織全体が大きく変革した、というとても参考になる事例だったのではないでしょうか。
wiwiwでは、多様な人材の活躍によるより良い社会の実現に向けて、個社ごとの課題を把握し、風土醸成・理解促進の手助けをする各種サービスと、これらを組み合わせた推進パックを準備しております。ご関心のあるサービスがございましたら、お気軽にご相談くださいませ。
【次回セミナー予定】
『人材戦略フォーラム2022』(主催:ネットラーニンググループ)
wiwiwでは、人事・ダイバーシティ推進担当者様を対象に以下2つのセミナーを開催いたします。
①7月20日(水)14:00-14:40
富士電機株式会社様 事例セミナー
「持続的成長に向けた人財活性化と女性活躍の推進」
https://www.nl-hd.com/forum/20-14_2.html
②7月21日(木)10:00-10:40
トヨタ自動車株式会社様 事例セミナー
「トヨタ自動車 ダイバーシティ&インクルージョンの取り組み」
https://www.nl-hd.com/forum/21-10_2.html
<お申込み方法>
『人材戦略フォーラム2022』公式ページよりお申込みください。
※本フォーラムを知った経緯について、「(株)wiwiwからの紹介」を選択してお申込みください。