介護アドバイザーの角田です。
皆さんは何人きょうだいですか。
2人が一番多く、1人っ子と3人がその次で、4人以上は少ないと思います。
夫婦の完結出生児数(結婚から15~19年の夫婦の平均子ども数)について、1940年~2015年まで国立社会保障・人口問題研究所が統計を取っていました。
戦前の1940年は4.27人でした。2回目の調査が1952年で3.50人、4回目調査の1962年には2.83人となり、1972年から30年間は2.20人前後で推移し、14回調査の2010年に1.96人と2人を割りこみました。
減少傾向はそのまま続いています。
親の介護において、子どもの人数が減れば子ども1人にかかる負担は大きくなります。
1人っ子同士が結婚して、4人の親を2人で支えることも珍しくなくなっています。
子どもの数が多かった頃は、その中の1人は親のそばで暮らして面倒を見るというイメージがありましたが、今は子どもが少なく全員が実家から出てしまい、親は1人暮らしか夫婦だけという家が多いように
思います。
離れて暮らす親をどう介護するかが課題になっています。
1人っ子の場合、自分がするしかないと腹をくくれます。
1人で介護したら仕事は続けられないので、早いうちから地域包括支援センターに相談して介護サービスの利用につなげ、医療や介護の専門家とケアチームを結成します。
兄弟姉妹がいると、誰が介護するか、あるいはサービスの利用や施設入所でもめるケースが少なくありません。
私は介護相談を受けていますが、「きょうだいは口だけ出して手は出さない」は古い話で、今は「口だけ
出して手もお金も出さない」と嘆く人たちが増えてきました。
それだけ介護にはお金がかかることを実感しているのでしょう。
親をきょうだいで協力し合って介護するのが理想です。
きょうだいといえども一人ひとりの事情と親への思いが違うので、それを話し合うことが第一歩になります。介護という土俵に皆が上がって、介護プロジェクトをどう進めるかを話し合いながら実行しましょう。
しかし、それが難しい場合は、身内ではない人たちとケアチームになって介護したほうがうまくいくかも
しれません。
家族の人間関係のストレスが介護そのもののストレスよりも大きくなったら、仕事にも悪影響が出てしまいます。
友人は近くに住む息子さんに「介護は頼むよ」とよく言っているそうです。息子さんからは「姉さんと弟はあてにならないからな。オムツになったら施設に入れるからね」と言われていて、「あなたにこの家をあげるから」と言ったら「死んでからもらうから遺言を書いておいて」と言われたそうです。
仲の良い親子だからこんな話ができるのでしょうし、元気なうちから気軽に話題にしておくと、いざというときに言葉にすることができるだろう思いました。
親に介護が必要になったとき、きょうだいでケアチームをつくるという視点で、関係を見直してみるのも
介護の準備です。
つのちゃん
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