介護アドバイザーの角田です。
80代の女性の友人に電話をしました。
訪ねて行きたいと言うと、「病院とデイサービスで忙しいのよ。ちょっと予定を見るから待ってて」と
弾んだ声。
「毎日することがない。誰とも話さない」といつも人恋しそうな様子だったのが、ずいぶん変わったと
驚きました。
病院はともかく、デイサービスには行きたくないとずっと言っていた人が、デイサービスで忙しくなって
しまったなんて。
お宅にお邪魔すると、デイサービスに行ってよかった点を話してくれました。
➀知らない人ばかりだから悪口を言う人がいない
②食事のメニューが毎日変わっておいしい
③安心してお風呂に入れる
④レクレーションやリハビリが楽しい
塗り絵、計算ドリル、間違い探しの成果を見せてくれました。
「折り紙を折るのは得意だったのに何十年もしていなかったら、きちっと合わせるのが難しいの。
若いときはできたのに年をとると手先がぶきっちょになっちゃって、悲しいね」といいながら、折り鶴も
登場。
お寿司好きの成果が表れて、魚偏の漢字を一番多く書けたとか。
それを皆に褒められてうれしかったそうです。
右手と左手で違う動きをする手遊びも面白くて、家で練習をしていました。
「世の中にはいろんな人がいるねえ」と、同じデイサービスに通う人との会話も楽しんでいるようです。
「自分には合わないと思っていたけど、行ってみるもんね」というのが彼女の結論でした。
別の人の話。
「漢字ドリルと計算ドリルでは1番なの。でも、一人ライバルがいるの。その人認知症でいろいろなことができないのに、ドリルはすごいの」
「デイサービスの職員さんは優しくて、失敗しても怒らないし、励ましてくれる。家では叱られてばかり
だから、デイサービスのいる時は安心していられる」
「デイサービスで、夕ご飯のお弁当も頼むことにしたの(デイサービスの中には。有料で夕ご飯のお弁当を持たせてくれるところが増えてきている)。娘が、遅く帰ってきても大丈夫だと喜んでいるの」
「お風呂に入れてくれて、身体を拭いてくれて、洋服を着せてくれて、まるで王様のようだ」
「皆がしていても自分はやりたくないならそう言えばいいということが分かった。それが心配だった」
働いている子供にとって、要介護の親が日中安全な場所で、たくさんの人に見守られて過ごしてくれる
ことはとてもありがたいことです。
「行きたくない、嫌だ」という気持ちを受けとめながら、「行ってみたら案外気に入る可能性もあるよ」と伝えたり、「私はお父さんがデイサービスに行ってくれるとすごく安心なんだ」と私を主語にして話して
みたりするのもいいのではないでしょうか。
つのちゃん
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