介護アドバイザーの角田です。
親の介護を「親孝行」や「恩返し」と捉えたら、子どもがするべきものになってしまいます。
子どもがすべての介護を抱え込んでしまったら、仕事どころではなくなって、介護離職を選ばざるを得なくなるかもしれません。
そこでwiwiwでは、介護を「プロジェクト」と捉え、ケアチームで介護することを推奨しています。
ケアチームには、配偶者や子どもや孫などの「身内」とともに、医療と介護の専門家に入ってもらいます。
私の父は「自分の介護は子どもにしてもらいたい」と願っていたので、2022年の6月まで、介護保険サービスは使わずに、身内を頼りながら一人暮らしをしていました。
しかし、私を含めて子どもたちや叔母夫婦の事情が変わったことをきっかけに、地域包括支援センターに
相談してケアマネジャーさんを探し、7月から訪問介護と訪問看護を受けることになりました。
その半年前に、かかりつけ医から「そろそろ介護保険の要介護認定を受けておくといい」と言われたため、要介護認定は受けていました。
信頼する医師の助言は素直に受け入れる父でした。
介護保険サービスを利用し始めると、父の日常生活を手助けしてくれるヘルパーさん、体調管理と入浴の
見守りをしてくれる看護師さん、訪問診療のお医者さん、処方された薬を自宅まで届けてくれる訪問薬剤師さん、配食弁当の配達員さん、そして父の希望を聞き入れて適切なケアプランを立ててくれるケアマネジャーさんなど、たくさんの人が父の家に来てくれるようになりました。
その方々と父は心を通わせるようになり、冗談を言い合ったり、娘に言わないようなことを相談したり、
誰も来ない日がないくらい忙しい日々になりました。
私自身、その会話の中に入ると楽しくて、時間があっという間に過ぎていきました。
昨年の晩秋、父に「今の暮らしはどう?」と聞いたら、「ストレスが無くなった」と言ったのです。
たくさんの人に支えられて、不安が少なくなったのだそうです。
父は退院したらまたそんな暮らしに戻ることを期待していたし、皆さんもそれぞれの役割を果たそうと思っていてくださったと知りました。
父は素晴らしいケアチームによって支えられ、安心して暮らすことができたのだと実感しました。
以前に出会ったおじいちゃんは、「母さん(妻)を介護していたときが人生で一番楽しかったな。ケアマネジャーさんやヘルパーさんが来てくれて、自分のことをほめてくれて、いろんな話もできたなあ。母さんが亡くなってからは誰も来てくれないから寂しいもんだ」と言っていました。
身内以外の人が親身になってくれたらうれしいですし、世界が広がる感じがします。
また、要介護高齢者が身内だけに介護してもらっていると、身内に万が一のことがあったときには、悲劇につながってしまう危険性があります。
それを回避するためにも、ケアチームで介護することが大事ですね。
介護者にとっても、医療や介護の専門家と相談しながら介護できるという大きな安心感が得られますよ。
つのちゃん
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