介護アドバイザーの角田です。
3年に一度見直される65歳以上の人の介護保険料が、厚生労働省より発表されました。
介護保険制度を運営しているのは市区町村で、それぞれの利用状況に合わせて市区町村が基準額を定め、
高齢者の所得に応じて段階的に保険料を決めます。
その基準額の全国平均は、6,225円で、2000年に介護保険制度が施行されてからどんどん上がっています。
2000年度~2002年度 | 2,911円 |
2003年度~2005年度 | 3,293円 |
2006年度~2008年度 | 4,090円 |
2009年度~2011年度 | 4,160円 |
2012年度~2014年度 | 4,972円 |
2015年度~2017年度 | 5,514円 |
2018年度~2020年度 | 5,869円 |
2021年度~2023年度 | 6,014円 |
2024年度~2026年度 | 6,225円 |
今回、基準額が一番高額になったのは大阪市で、9,249円。
一番低いのは、東京都小笠原村で3,374円。3倍近い差がありました。
大阪市の担当者は、「ほかの自治体に比べて一人暮らしの高齢者が多いことと、所得の低い人の割合が多いことが要因になっている」と話していました。
一人暮らしでも介護保険を利用して暮らしていけるのであれば、また、所得の低い人を皆で支えているのであれば、保険料が高くなっても仕方がないという見方もできると思いました。
弊社のある東京都新宿区は、高齢者本人の課税状況と合計所得金額、世帯全員の課税状況に応じて18段階に分けて徴収しています。
第1段階が月に1,650円、第5段階が基準額で、6,600円、18段階は、本人の合計所得金額が5,500万円以上で、38,280円。
親が月にいくら介護保険料を納めているかがわかれば、保険料の一覧から、親の合計所得金額がわかります。
もし、親御さんが介護保険サービスを使うことをためらっているようでしたら、「また、介護保険料が上がったね。これだけたくさんの人がサービスを使っているということは、介護は家族でするものから社会全体でするものという意識に変わってきた証拠だね。介護保険は社会保障制度で、40歳以上の人はみな保険料を納めているのだから、介護が必要になったときはサービスを使う権利があるよね。」と話してみてはいかがでしょうか。
私の父は、母が介護保険サービスを使うことを望んでいなかったのですが、私の夫が何気なく「権利」と
いう言葉を使ったら、「権利か」と言って、利用を承諾してくれました。
介護保険制度が始まって24年目ですが、まだまだ認知度は低いです。
介護に直面したときにあわてないように、基礎知識を持っていてほしいなと願っています。
そのお手伝いをすることが私の任務です。
つのちゃん
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