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何をやってもなるときはなる


介護アドバイザーの角田です。

 

6月14日は「認知症予防の日」でした。アルツハイマー病を発見した医学者アロイス・アルツハイマー博士の誕生日(1864年)にちなんで、日本認知症予防学会が制定しました。

 

母親が60代でアルツハイマー病になってしまった娘さんが、
「母はピアノの先生をしていて、社交ダンスを習っていて、美味しい料理を何品でも素早く作ってくれる
料理の天才でした。車を運転して家族を旅行に連れて行ってくれたし、冗談を言っては家族を笑わせていたし、近所に友達が一杯いました。だから、アルツハイマー病になるなんて考えられない。認知症予防にいいということは何でもやっていたのだから」
と話してくれました。

 

これを聞いた時に、アルツハイマー病は病気なのだから、どんなことをしても、なるときにはなるのかと
思いました。
頭を使わないからなるというなら、アルツハイマー病になったことを公表した、レーガン大統領や
サッチャー首相、刑事コロンボを演じたピーター・フォークはどうなのでしょう。
肉よりも魚がいいらしいのですが、知り合いは「うちの母は肉が嫌いで、魚ばかり食べていたのに」
と言っていました。
なってしまった人に、「予防をしていなかったからこうなった」なんて言えないですね。

 

今の医学では、なぜこの病気になるのかが解明されていない病気はたくさんあります。
仮になぜなるかがわかったとしても、そうならないようにすることは難しかったり、誰もが優等生のような暮らしができるわけではありません。

 

認知症というのは、脳細胞の損傷によって、生活に支障をきたすほど認知機能が低下した状態をさします。
認知症を引き起こす原因では、アルツハイマー病が7割近くを占めるといわれています。

 

アルツハイマー病は、脳の中にアミロイドβと呼ばれるたんぱく質が塊になって脳細胞を死滅させることで起こります。
特に「海馬」と呼ばれる記憶の中枢を司る部分の損傷が大きいことが特徴で、海馬が傷つき始めてから
15~20年で認知症を発症すると言われます。
五感から得られた情報を記憶として大脳皮質に定着させるのが海馬の役割で、記憶の製造工場である海馬が壊れてしまったら、新たに記憶できないということは理解できますよね。
海馬が壊れる前に記憶されたことは大脳の中に残っているというのも納得です。

 

アルツハイマー病は心の病ではなく、脳の機能障害なんですね。
起こったことを記憶として定着させられないけれど、その時のうれしい、楽しい、悲しい、さびしいなどの感情は脳の別の部位が担当するので、大いに感じることができるそうです。
そういう脳のメカニズムを知ると、アルツハイマー病の方とどう接したらいいかのヒントが得られると
思います。

 

誰でも病気にはなりたくないです。
でも、なってしまったら、これからどうしたらいいかを考えることが大事です。
なってしまったことをずっと後悔し続けたり、周りの人から非難されたりしたら、よけい辛くなります。

 

認知機能低下予防をするのはいいことだと思うので、「認知症予防の日」が日本に定着するといいです。
そして、認知症の人にやさしい街をつくることに役立ってほしいと願います。

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つのちゃん

介護家族のご相談をたくさん受けてきて、いろいろ学ばせていただきました。それを皆さんにお返ししたいなと思っています。

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