wiwiw介護アドバイザーの角田です。
「戯れに母を背負いて そのあまり軽きに泣きて 三歩あゆまず」
石川啄木ほどの衝撃ではないですが、私もいつのころからか、両親やおじやおばが小さくなったなと感じるようになりました。
思春期にぐんと背が伸びた私(169センチ)は、仲のいい叔父に会うたびに「また大きくなったな」とからかわれていました。数年前の法事の席で、その叔父から「また背が伸びたのか」と言われたとき、「叔父さんが小さくなったんでしょ」と思わず返してしまい、切ない気持ちになりました。叔父は心臓の手術をして、昔よりもずいぶん痩せて小さくなっていたからです。
夏休みに故郷に帰省された方も多いと思います。久しぶりにお会いした親御さんに、「あれっ、こんなに小さかったかな」と感じた方はいらっしゃいませんか。
身長が縮む原因の一つは、背骨が重力で押しつぶされるからだそうです。
背骨は約30個の骨が連なってできています。年を取ると、一つ一つの骨の間の椎間板(クッションの役割)の水分量が減ってスカスカになり、重力によってつぶれて薄くなってしまうのだとか。一つの椎間板が平均1mm縮めば、トータルで2~3cmの減少になります。
次に考えられる原因は、骨が曲がって姿勢が悪くなり、それで身長が低くなるのだそうです。
骨粗鬆症になると、骨自体がスカスカになってもろくなり、圧迫骨折したり骨が縮んで変形してしまったりします。
背骨の前側がつぶれると、猫背になったり腰が曲がってしまい、そうなるとバランスをとるために、膝も曲がってしまうとのことです。
これらを防ぐのには、睡眠と運動が有効です。
加齢による椎間板の水分量低下を防ぐことは、残念ながら難しいのだそうです。しかし、日中重力によってつぶされていても、夜横になって寝ていると元に戻るので、しっかり睡眠をとるといいそうです。
これは若い人にもいえることで、朝が一番身長が高いのだとか。
次は運動。
骨を支える筋力が衰えないように、無理なく筋肉を鍛える運動を日常生活に取り入れることが大切だそうです。背筋を伸ばすことを心掛けるだけでも違います。
離れて暮らす親御さんに運動してもらうにはどうしたらいいか。
ご自分で試してみて、簡単で効果があった方法を、今度帰省した時に一緒にやってみてはいかがでしょう。その後は続けているかを電話で確認しましょう。
地域包括支援センターで、地域の高齢者のための運動サークルやイベントを教えてもらい、参加を促すのもよいと思います。
加齢によって身長が縮むのはある程度仕方がありませんが、睡眠や運動によって、生き生きした老後を暮らしていただきたいですね。
つのちゃん
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