第1回 SMBC日興証券様
wiwiwを2003年から導入いただいている
SMBC日興証券様に、ワーク・ライフ・バランスに
対する具体的な取り組み内容や効果と併せて、充実した
両立支援制度について、人事部の鈴木由香様と、
菅井由紀子様にお話を伺いました。
-----従業員の皆さん一人ひとりが多様性を尊重し、お互いに尊敬し個性を最大限発揮できる環境作りのために、さまざまな施策を行っていらっしゃいますが、そもそも、WLBの向上に取り組んだきっかけは何だったのでしょうか。
育児介護休業法の改正が大きなきっかけです。この時、今までの育児関連制度を、より使い易い仕組みにするために、法定を上回る内容に改正しました。
改正内容としては、育児休業期間を子が3歳になるまでに延長し、また育児短時間勤務制度についても、「子が小学校就学前まで」「最大2.5時間の短縮」となっていたのを、『保育園の時よりも小学校に上がってからの方が短時間勤務制度を利用したい』という声に答え、子が中学校就学前まで制度を利用できるように改正しました。
----すごいですね!短時間勤務が中学校就学前まで取れるというのは、法定をかなり上回った改定ですね。短縮できる時間も途中で増えていますし、これらの制度見直しでかなりの効果が表れたのではないですか?
そうですね。以前は70人程だった育児短時間勤務制度利用者も今では160人と倍以上に増えました。これは制度見直しの効果だと思います。社員からは「制度を使える期間が長くなって助かりました」という声も多く聞かれ、最近では2人目、3人目を産む社員も随分増えています。
----2倍以上にも短時間勤務利用者が増えたのは素晴らしい結果ですね!
優秀な女性が出産を機に辞めてしまう割合は未だに6割と言われています。御社のように、女性が働き続けられる環境作りとして、まずは制度の見直しが必要だということがこの数字からもわかりますね。
そうですね。以前は出産を機に辞めてしまう女性社員も多かったのですが、毎日定時退社でも、成果をあげている女性社員はたくさんいます。このような社内の制度を周知することで、長く働き続ける社員を増やせないかと、色々と施策を検討して実施しています。
----短時間勤務制度を利用することで周りに迷惑をかけてしまうのでは?と引け目を感じて辞めてしまう女性社員も少なくありません。そういった不安や悩みを持つ女性社員に対して、御社では制度以外でも何か対応をされていらっしゃるのですか?
社内イントラネット上に「女性社員の出産・育児等のライフイベント」と「仕事」の両立支援や社員同士の交流を目的とした社内サイト『Women’s Square Site』を開設し、いろいろなキャリアを持った女性社員を紹介したり、育休より復帰した社員が働いている様子や、子育て支援情報を載せています。
このサイトを通じて、今後出産予定のある社員や、出産を考えている社員に、出産後の働き方を具体的にイメージしてもらうきっかけにしてもらえればと考えています。
また、今後このサイトには、女性の活躍推進等の取り組みや介護関係の情報も載せていきたいと思います。
----なるほど。部署によってはロールモデルとなる先輩社員がいないところもあるので、このサイトを通じて活き活きと働いている先輩をご紹介することはとても参考になると思います。サイト更新は大変だと思いますがぜひ頑張って続けていってください!
そうですね。また、育児休業中の社員については2003年12月より『wiwiw』を導入して情報提供や復職支援に活用させていただいています。
----育児休業中の社員のフォローとしてwiwiwがお手伝いをさせていただけて嬉しいです。実際にwiwiwを使った社員の皆様の感想はいかがですか?
ウィークリーメールはとても喜ばれています。子どもの誕生日をお祝いしてくれるメッセージが嬉しかったという声もありました。
また、掲示板を通して会社へ質問してくる社員もおり、今後も企業専用掲示板を活用していきたいと考えております。
また、wiwiwのサービスでもう1つ好評なものが、上司からの情報交換メールです。ただ、送られてくる社員と送られてこない社員がいるので、この差(上司の意識)を埋めていくことが課題だと考えております。
----そうなんですね。多くの休業者が、休業期間中に会社からの情報が全くなくなることに対してとても疎外感や不安感を感じているようです。
人事からの情報提供はもちろんですが、上司や職場の同僚からの情報もとても安心感を与えるので、ぜひ情報交換メールは活用していただきたいですね。上司が忙しければ同僚に送っていただくということもできるので是非ご検討ください。
その他、WLBに関する取り組みで行っていることはありますか?
管理職には管理職研修の中で子供を持つ社員への理解を深めるための内容を盛り込み、少しずつでも意識の浸透を図ることが大切だと考えております。
また、休暇制度として、連続して最長7営業日の休暇が取れる連続休暇制度があります。
この休暇制度は年に2回取得でき、また、2回連続して取得することもできるので、それぞれのニーズに合わせて活用することができます。
各部署では、休暇の取得予定表を回覧する等、取得促進をしています。
その他にも、2005年7月から週1回の「早帰りの日」を設定しています。曜日は部署単位で決められるので、部署によって早帰りの日が違います。
また、社員組合と会社が共同で推進ポスターを作成して全部店に配布しました。
このポスターに各部店長が推進メッセージを記入し、社員の目のつきやすい場所に掲示しています。
ポスターだけでなく、月1回実施報告書の提出を義務付け、上司自らが率先して早帰りを定着させるように促しています。
----すごい!徹底していますね。休暇制度を設けても、周知がされていないと絵に書いた餅になり、「誰も使わない・使えない」ということになりかねませんが、レポートの提出・管理職の意識改革など、ソフト面でもしっかりフォローされている点に感心しました。
今までのお話を伺っていて思うのですが、制度の見直しにも、社員からの要望などが多く反映されていらっしゃいますね。こういった社員の声はどのような方法で集めているのですか?
個人の状況の報告や、会社に対する意見や要望を出すことが出来る窓口を複数設けています。また、その他にも社員組合に意見が寄せられることもあります。
----なるほど。そういう形で社員の声をしっかり反映しているのですね。
社員の意見や要望をちゃんと反映しWLB推進の取り組みを継続して行っていくことで、モチベーションの高い社員もますます増えていくと思います!
それでは最後に、今後、力を入れていく取り組みや課題などはございますか?
男女関係なく、社員が働きやすい職場環境を整え、さらに男性社員にも育児休業を取得しやすい環境にしていきたいと考えております。