2006年、時代に先駆け女性活躍推進室(現:ダイバーシティ推進室)を設立し、女性活躍を進めてきた三菱UFJ銀行様。現在はさらにスコープを広げ、グループ全体でのダイバーシティ推進へと邁進されています。
そんな三菱UFJ銀行様に、今後のダイバーシティ推進の展望やwiwiwの「キャリアと育児の両立支援プログラム」の活用についてお話を伺いました。
仕事と育児の両立が成長につながる
wiwiw 三菱UFJ銀行様は、育児休業取得者数が日本で最も多いことで知られています*1。育休取得者が多いということは、出産・子育てによってキャリアが途絶えない、子育てしながらでも働きやすい環境が整っていることの表れですね。
上場様 銀行業はもともと女性が多い業種。女性が出産や育児などのライフイベントを経ても本来の力を発揮して活躍できる職場環境を整備することが、当行の成長につながると考え、両立支援を進めています。
wiwiw 2006年に女性活躍推進室*2を立ち上げられ、2017年には女性役付者比率が19.2%にまで向上されていますね。
上場様 現状、ラインマネジメント層は増えてきています。その上の部長・役員層へとパイプラインをつなぐことも、次なる課題と考え、経営職階層への育成研修等、上を目指すマインド醸成も進めています。
wiwiw 現在はMUFGグループ全体でダイバーシティを推進されています。一体的に進めていらっしゃるのはなぜですか?
上場様 事業モデル変革「MUFG再創造イニシアティブ」の中で、グループ内リソースを有効かつ効率的に発揮する運営体制を再構築するという観点から、「グループ一体運営」を進めています。
*1:CSR企業総覧2018年版[雇用・人材活用編]より/東洋経済新報社
*2:2010年に「ダイバーシティ推進室」に組織変更
男性育休取得率100%を目指して
wiwiw MUFG全体で、育児休業取得者は約3,700名と伺っています。
八重尾様 これは、男性の育児休業取得者数も含めた数字です。3年前までは行内で「男性育休」という言葉を耳にする機会はそれほど多くなく、当時の取得率は40%くらいでしたが、2016年度に短期育児休業取得率100%を目標に掲げ、積極的な取得推進を行った結果、直近では84%*3にまで向上しています。
wiwiw そのほかにはどのような取り組みをされたのですか?
八重尾様 仕事と育児を両立している男性ロールモデルの紹介や、育休取得者本人と家族の声をリーフレットにして掲載しました。また、お子さんがお生まれになったタイミングには、上司と男性本人に対して育休取得促進メールを自動配信し、申請方法などの手続きについて説明しています。男性の育児休業取得について上司からも積極的に声をかけてほしいと考えていますし、男性が育休を取得することで、仕事と育児を両立する部下や同僚への理解促進にも繋がると考えています。
wiwiw 女性への支援制度の充実にとどまらず、男性の育休取得という次のステップへ進まれているのですね。
八重尾様 当室員とダイバーシティ推進活動メンバー*4が協働して、仕事と育児を両立している男性行員を囲んだ座談会も開催しました。
村井様 この座談会は、ぜひ今後も続けていきたいですね。座談会の記事を読んだ女性行員からは「自分のパートナーにも座談会の話を聞かせたい」などの声も上がっています。記事を読んだ方が家庭での家事・育児の分担を見直すきっかけにしてほしいと考えています。
*3:子が2歳の前日迄に取得した率
*4:従業員からメンバーを公募して、ダイバーシティ推進室と協働で推進活動に取り組み、ロールモデルの方々へのインタビュー/座談会の開催/記事制作等活動を行っている。
1,600名の育休者の復帰をサポート
wiwiw wiwiwの両立支援プログラム利用者は約1,600名と多数いらっしゃいます。
八重尾様 wiwiwのプログラムは2012年から導入しています。導入目的は2つ。一つ目は、復職に向けて両立準備をしてもらうためです。当行では休職前に必ず、研修と上司との面談を行っています。その際、育休中はwiwiwを活用して、人事部からのお知らせの確認ができること、また、オンライン講座等で自己啓発ができることを伝えています。wiwiwのe-ラーニング「キャリアと育児の両立準備講座」の受講は必須とアナウンスしています。
ペーパーレス化にも貢献
八重尾様 二つ目の目的は、産育休者の活躍を支えている、主に育休者が在籍する部店の総務担当者などの負担軽減です。wiwiw導入前はすべての総務関連資料を産育休者に個別に郵送せざるを得ず、相応の負荷がかかっていました。wiwiw導入により、休職中の本人が自宅で必要書類をダウンロードできるようになったことは画期的だったと感じています。最近では総務担当者から「必要な書類はwiwiwにアップされているので、助かっています」と効果を実感する声も聞かれるようになり、会社として取り組んでいるペーパーレス化にも貢献しています。
部店に合ったコミュニケーションを支援
wiwiw コミュニケーションツールとしても、wiwiwをご活用されているんですね。
上場様 育休者の上司は、月に1度wiwiwから配信される「情報交換メール*5」をきっかけに産育休者にメール連絡したり、上司宛てメールをきっかけとして電話連絡したり…。それぞれの部店に合ったコミュニケーションを支援するツールになっています。私も支店長時代、wiwiwから届く情報交換メールにお子さんの月齢や連絡先アドレスが記載されているお陰で、スムーズに電話連絡ができました。上司にも本人にも喜ばれるシステムですね。
wiwiw 「お知らせ機能」も活発にご活用いただいていますね。
上場様 総務連絡、制度案内、人事部からのメッセージ等、また、企業内保育園の空き状況もwiwiwで随時お知らせしています。「セレクト時差勤務」という働き方改革の制度をスタートした際にwiwiwでお知らせしたところ、休職中の行員から「wiwiwで見たのですが」という問い合わせも多数入りました。会社の動きが時差なく伝えられている、と実感します。
*5:休業者と上司のコミュニケーションをサポートするメールサービス。休業者の心理変化やお子さんの発育状況に合わせたメッセージを記載したフォーマットになっている。
復帰後も長期的に寄り添う
上場様 復職当初の両立マインドについては醸成できてきたと感じていますが、子育てに終わりはありません。3歳、5歳、小1の壁と環境が変わっていく中で、さまざまな新しい課題に直面していきます。復職1年前後には自身を振り返る復職後研修を行っており、将来の働き方などを考える機会を提供していますが、そのあとも長期的に寄り添っていきたいと考えています。
wiwiw グループ全体のダイバーシティ推進としては、どのような展望をお持ちですか?
上場様 究極的にいうと、ダイバーシティ推進室がなくなることが目標でしょうか(笑)。すべての職場で多様性を認めるという視点に立って業務を進められるように、まだまだ推進すべきことがたくさんあります。今後は更に、男女ともに家庭責任と社会的責任をシェアし、バランスを取りながら社会に貢献していくための挑戦を続けたいですね。
wiwiw 示唆に富んだお話をありがとうございました。
本インタビュー内容は、ダイバーシティ先進企業の取り組みをご紹介する弊社新聞「Calip」でも記載しております。紙面ご請求はこちらまで。