導入事例

wiwiw導入事例
第5回
日本たばこ産業
株式会社
コーポレート 多様化推進室 次長
落合 幸司 様

わずか3年間で女性管理職比率を1%強から5%強へ引き上げるなどグローバル企業として、ダイバーシティを急ピッチで推進している日本たばこ産業様。
2013年にダイバーシティ専任組織の「多様化推進室」を立ち上げられ、今では女性活躍だけではなく、LGBTの活躍など、多様な人材の活躍推進に取り組んでおられます。
そんな日本を代表するダイバーシティ先進企業である日本たばこ産業様に、その多様化推進における考えや施策、wiwiwの「キャリアと育児の両立支援プログラム」の活用についてお話を伺いました。

変化の激しい時代に対応する

落合様 JTグループでは、世界100カ国以上の国籍の社員が働いており、多様な文化や価値観を持つ社員同士の協調は欠かせません。しかし、多様化推進室を立ち上げた当時、日本でのJTの女性管理職比率は、2%にも満たない状態でした。一方、海外グループ企業のJapan Tobacco Internationalの管理職は26%が女性。JTもグローバルカンパニーとして女性活躍、多様化を進めることで、変化の激しい時代に対応して持続的成長の礎を築きたいと考えています。

wiwiw ダイバーシティ推進にはさまざまなアプローチがあるかと思います。JT様はどこにポイントを置いて進めていらっしゃいますか?

落合様 まず重視したのが、トップからのメッセージ発信です。社内報、イントラネット、各種会議体などあらゆる場で積極的に社長や役員がメッセージを発信し、多様化推進、女性活躍推進の意義を語っていきました。さらにイクボス研修など管理職への教育に力を入れ、マネジメント層にダイバーシティの概念が浸透してきたところで、女性を対象とした研修、全社員を対象としたe-ラーニング等へとステップを進めて、全社的な風土をつくってきました。

「ハードウェア」と「ソフトウェア」

wiwiw JT様は働き方も非常に柔軟ですね。コアタイムが設定された中で始業時間を自由に設定できたり、テレワークも推進されるなど、社員のライフイベントの変化や多様な価値観を受け入れるさまざまな選択肢があります。個々の能力が最大限発揮される制度が整っているのですね。

落合様 そうですね。ただし、制度も大切ですが、その制度をうまく活用できるマインドが一人ひとりに備わっているからこそ制度は機能する、と考えています。制度が「ハードウェア」だとしたら、マインドは「ソフトウェア」。ハードウェア=制度を整え、ソフトウェア=マインドを醸成していくこと、この両輪どちらも重要なのです。

wiwiw マインドの醸成としてはどのような施策をとられているのでしょうか?

落合様 例えば、制度においても「主体的に決められるか」ということをポイントに整備しています。自分で働く時間を決める、自分に合ったものを選び取る、という主体的な選択も、一人ひとりの主体性と自律性を育てることにつながる、と考えるためです。

wiwiw JT様のe-ラーニング受講数は他社と比べて多く、その理由が気になっていたのですが、育児休業者の方にも主体性、自律性が備わっているからこそなんですね。

落合様 wiwiwのe-ラーニングは、自己研鑽になるコンテンツを自分で主体的に選んで使えるため、会社と離れている間に復職に対して不安になってしまったとしても、講座を通じて積極的に自分を高めようという気づきや意識が生まれるようです。会社と離れている時間にも、e-ラーニングで自分の強みを補えるのは、社員にとっても会社にとっても大変ありがたいですね。

育児休業者のマインド醸成

wiwiw そのほか、育児休業者のマインド醸成として実施されていることはありますか?

落合様 月に1回、社長や役員のメッセージを育児休業者にも共有しています。育児休業中もJTの一員であるという意識をもち続けるのに役立っているのではないでしょうか。これにはwiwiwの「お知らせ機能」を主に活用しているのですが、「お知らせ機能」は他にも仕事と家庭の両立に関わる各種制度の情報や申請方法を掲載するなど、情報共有ツールとしても活用していますよ。

wiwiw 「お知らせ」は、他社導入企業様でも人事・異動情報を掲載するなどご活用いただいています。育休中の社員にとって、これから戻る職場がどう変化するのかはとても気になるようですね。

落合様 そうですね。これまで一緒に働いていた仲間がいなくなったことを、復帰後に知るというのは、とても寂しいですよね。 おもしろいところでは、育休中の社員から「みなさんはベビーシッターを使っているのでしょうか?」といった質問も出てきたため、調査してwiwiwで情報を発信したこともあります。日ごろシェアされない小さな不安や疑問も共有することができ、貴重な情報源になっています。

上司と部下の継続的なコミュニケーション

wiwiw 育児休業中も上司は部下と連絡を取り続けていらっしゃるそうですね。

落合様 1ヵ月に1回はなんらかの方法で連絡を取り合うことを勧めています。メールや電話、最近ではLINEを使うこともあるようです。産後には主に体調などについて。お子さんと一緒に来られるようになったら、会議室で上司や仲間とざっくばらんに話をするということもあります。産後は環境の変化が大きく、休業者の気持ちは大きく揺らぐものですが、復職後のキャリアビジョンを上司が把握しているので、「大丈夫、活躍できるよ!」「期待しているよ!」と寄り添って元気づけたり、導くことができています。

wiwiw 部下のキャリアビジョンを上司がしっかり把握できているんですね。

落合様 復帰したあとに「この先どうする?」では遅いので、休業に入る前から、長期的な視点に立って話を始めるべきだと考えています。そこで出産前に、必ず1回目の面談をしましょうと呼びかけています。その際、業務の引継ぎについて調整をしていくことも大切ですが、今後のキャリアをどうしていきたいかという話に重点を置くようにしています。これらの管理職向けのアドバイスは、両立支援のガイドブックにも掲載して、イントラから見られるようにしています。

wiwiw 育児中の社員の仕事と両立には、上司の役割が非常に大きい、と考えるからこそですね。その他上司の方にはどのようなことをお願いしているのでしょうか。

落合様 女性の活躍にかかわらず、ダイバーシティを推進するにはコミュニケーションの在り方がとても大切と考えています。部下の言葉をいったん受容し、そのうえで対話を進める、価値観を認め合う、部下のライフイベントや働き方の変化に配慮するということを繰り返し伝えています。そのような日々のコミュニケーションにより、一人ひとりの潜在能力が引き出され、いきいきと働き続けられる企業へ成長していけると考えています。

ダイバーシティ推進の成果

加熱式たばこ『プルーム・テック』

wiwiw 最後に、ダイバーシティ推進の成果をお聞かせください。

落合様 弊社は女性も男性と変わりなく組織の中核人材として活躍しています。例えば「プルーム・テック」という加熱式たばこの商品開発には、女性社員の意見も大いに生かされています。ただし、それは女性社員が開発に関わったからイノベーションが起こるのではなく、新しい視点が入ることで議論が活性化した結果であると思います。このようなイノベーティブな商品が生まれたのは、「多様性」が生かされている一つの成果だと考えています。 また、昨今では、女性の働き方がひとつのモデルになり、男性社員も同じように自分に合った働き方を選ぶようになりました。自分の置かれた立場に合わせてポジティブにキャリアを作ってきた女性は、パイオニア的存在ですね。新しい企業風土醸成にもつながっています。引き続き、様々な多様性が活かされるよう取り組んでいきます。

wiwiw 貴重なお話をありがとうございました。

本インタビュー内容は、ダイバーシティ先進企業の取り組みをご紹介する弊社新聞「Calip」でも記載しております。紙面ご請求はこちらまで。

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