導入事例

wiwiw導入事例
第8回
ヤマハ発動機株式会社
人事部
川口 さやか 様
(左)川口様
(右)人事部長 河合様

2018年に、『ART for Human Possibilities』―「ロボティクスを活用し(Advancing Robotics)」「社会課題にヤマハらしく取り組み(Rethinking Solution)」「モビリティに変革をもたらす(Transforming Mobility)」という長期ビジョンを打ち出しだしたヤマハ発動機様。女性管理職登用数の目標を、2020年までに2014年の2倍、2025年までに3倍としていますが、2019年の時点で2020年目標を前倒しで達成されています。そんなスピード感あふれるヤマハ発動機 人事部の川口様にキャリアと育児の両立支援について伺いました。

川口様 ヤマハ発動機では、2018年より『ART for Human Possibilities』というスローガンを掲げた長期ビジョンを打ち出しています。長期ビジョンでは、2030年に向けて変革を起こすとしており、これまでの延長線上にはない変革を起こしていくためには、会社としてもダイバーシティの推進がより重要だと考えています。女性活躍に関しては、「より多くの社員が輝き活躍し続けてほしい」という考えから、長期ビジョン策定前より取り組んでいましたが、経営戦略の一部としてより積極的に進めていく必要があると考えました。

ダイバーシティ推進に取り組むうえで、どのような課題をお持ちだったのでしょうか。

川口様 「管理職登用人数」や「採用人数」といった、経営や人事としての目標は掲げていましたが、なぜ当社がダイバーシティを推進するのかといったビジョン浸透や、社員がダイバーシティについて身近な課題として考える教育機会があまりありませんでした。そのため、2019年よりダイバーシティにまつわる研修などの取り組みを開始しました。

ダイバーシティ推進の施策の一つとして、当社の「仕事と育児の両立支援Handbook」全3種類を導入いただきました。導入の目的は何だったのでしょうか。

川口様 ハンドブックの導入以前から、出産を控えた女性社員へ仕事と育児の両立支援研修を開催していました。この研修では、これまで行ってきた「働きやすい環境づくり」とは違い、「働きたいという気持ちを大切に」というメッセージを打ち出しています。この研修により、女性社員が『出産後もやりがいのある仕事を続けたい』との思いを強くし、マインドが大きく変化したので、その想いを管理職が受け止めなくてはならないと考えました。そこで、管理職と女性社員の双方が目線を合わせてキャリアについて考えられるよう、共通言語としてハンドブックを導入しました。

ハンドブックの制作にあたり、人事部内で議論を重ねてコンセプトを決めていきました。

川口様 ハンドブックの表紙を、既存デザインから当社オリジナルに変更しました。社員がハンドブックを手にした瞬間を想像して、社内のデザイン部門にも協力してもらい、当社らしいデザインに作り直しました。既存のデザインになぜ違和感があるのか、どんなデザインが当社らしいのかを議論するなど、ハンドブック制作の過程で「当社での、キャリアと育児の両立はどうあるべきか」を整理することができました。

ヤマハ発動機様のハンドブック表紙デザイン

川口様 また、当社が女性向けと管理職向けのハンドブックを導入した時、人事部の若手社員が「男性向けもあるんですよね?」とごく自然に発言しました。仕事も育児も男女関係なくそれぞれが大切にするべきもの、というビジョンの共有は十分に議論を重ねられていました。そのため、wiwiwが男性向けのハンドブックの販売を開始した直後に導入をしました。実は、両立支援を続ける中で2019年から2020年にかけて男性社員の育休取得率が約3.5倍に増加しており、このことも導入の後押しになりました。

ハンドブックはどのように活用していますか。

川口様 産休前に両立支援研修を受講した女性社員の上司へ、女性向け・管理職向けのハンドブックを2冊セットにして「ハンドブック内のコミュニケーション・シートを使って面談してください」と手紙を付けて送っています。その効果があってか、どうやら、皆さんハンドブックを活用して面談しているようです。女性社員にとっても、上司と同じシートを使って面談できるのは心強いと思います。

ハンドブック配布対象者以外の社員の方からも反響があったそうですね。
ハンドブック表紙デザインの選定場面

川口様 ハンドブックの導入・活用は全社員に伝えており、その内容も公開していました。すると、「育休や出産は女性だけの課題ではなく、男性にも同じように育休を取得させるべき」、「やっぱり育児は大変だ」など、大きな反響がありました。また、導入直後にコロナ禍に直面したこともあり、全社的に働き方改革に意識が向きました。このような変化は、ハンドブックを導入した効果だと感じています。

川口様 社員の意識が変わったことにより、wiwiwのオンライン講座の教育内容がストンと落ちるものになったと感じました。そのため、ハンドブック導入後に、オンライン講座2講座「ダイバーシティ&マネジメント(女性活躍編)」「実践!ダイバーシティ・マネジメント講座(管理職編)」を導入しました。

女性活躍編は、男女関係なく社員一人ひとりの働き方や両立に寄り添いましょう、というメッセージがこめられています。社員の意識が変わってきていたこのタイミングに受講するにはぴったりの講座だと考えました。また、管理職にはダイバーシティ・マネジメントの基礎的な内容を学んでもらうことで、より学習効果が高まると考えたため、あわせて管理職編も導入しました。

ハンドブックとオンライン講座の導入理由は、一本の線につながっていました。実際にオンライン講座を受講した管理職の方からは、どのような反響があったのでしょうか。

川口様 社員のレベルに合わせて推進をしたためでしょうか。マネージャ層からは反発の声はなく、これからの時代にはこのような両立支援が必要だ、などの肯定的な声が人事部長宛に届いています。また、女性活躍以外にも、LGBTや介護・治療との両立などの別トピックスについても社員の関心が及ぶようになりました。

また、人事部も本腰を入れて両立支援を始めて、両立している社員たちとしっかり向き合うようになりました。治療や介護との両立など、より深く当事者に寄り添って考えるきっかけになりました。

ヤマハ発動機様では、なぜハンドブックやオンライン講座を導入するのか、きめ細やかにコンセプトを考え伝えているので、社員一人ひとりが自分の考えを整理でき、大きな反響につながっていると感じました。

川口様 多様性の時代に、キャリアやマネジメントに正解はありません。自分がどのようなキャリアを築きたいかは自分にしかわかりませんが、この問いを一人でたてるのは難しいです。そのため、今回導入したハンドブックの記述欄や、オンライン講座のケーススタディなどを活用して、自分の考えを整理したり、経験を振り返る機会を会社が提供し、社員が適切に手にできる機会を増やすことが大切だと感じています。弊社では、自ら考え、発信・行動することが大事だと考えています。仕事上でも、これからのキャリアを築くうえでも、チャレンジをしてほしいと社員に伝えています。

河合様と川口様
最後に、wiwiwサービスについて、ご感想を伺いました。

川口様 wiwiwはダイバーシティの推進を経営課題として扱っており、女性活躍推進支援について多くの実績を持っています。多くの女性を見ているプロフェッショナルでありながらも、「一人ひとりが活躍するために何が必要か」という視点で必ず伝えているwiwiwのコンセプトは、私たちが目指すところであり、とても共感できる部分です。女性の数が少ない当社にとって、数多くの女性と向き合ってきたwiwiwの専門性はとても頼もしかったです。

wiwiw  貴重なお話をありがとうございました。

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