導入事例

wiwiw導入事例
第9回
ウイングアーク1st株式会社
People Success部 執行役員
人財・組織文化&サステナビリティ担当
吉田 善幸 様
サステナビリティ推進室 室長
鹿島 忍 様

ウイングアーク1st様は、帳票設計・運用クラウドサービスの累積導入社数、国内シェアNo.1※。データ基盤ソリューションやバーチャルアシスタントなど、最先端技術を使ったサービスを提供する情報通信業の企業です。 「私たちは、ヒトと共に“データの力”でより良い社会を創生します」というサステナビリティビジョンのもと、事業を通じたサステナビリティの実現を目指しています。 そのなかの重要課題のひとつに「ダイバーシティ&インクルージョン(以下、D&I)」を掲げ、さまざまな取り組みを進めるウイングアーク1st様に、 「女性活躍推進アドバイザリーパック」を導入いただいた背景や効果についてお話を伺いました。
※累積導入社数(2022年2月末現在)



今後、企業経営におけるD&Iのプライオリティは一層高まる

吉田様

wiwiw 貴社はD&Iの推進を経営戦略と位置づけ、明確なメッセージを打ち出していますが、D&Iに取り組むこととなった背景やこれまでの経緯を教えてください。

鹿島様 当社は2018年にサステナビリティ委員会を立ち上げたのですが、その頃はまだD&Iに特化した専門の部署はありませんでした。 比較的女性が少ないIT業界において「女性が長く持続的に活躍できる場を作りたい」という思いを持つ社員が、女性活躍推進プロジェクトについて経営陣に提言し理解を得るという、いわばボトムアップのかたちでスタートしました。 職場における理解の浸透は急速に進むものではないので、できるところから少しずつ取り組みを進めていたのですが、2021年度の社員総会にて社長から「D&Iを経営戦略と位置付けて取り組んでいく」というメッセージを発信したことで、よりその取り組みを加速させていきました。
特に近年は外部からのプレッシャー(※)が急速に高まったことで、社内外の動きが合わさって進んでいく感覚があり、社内のD&Iを推進する立場としてはやりやすさを感じています。そして、この取り組みは必ず事業の発展に結びついていくと考えています。

吉田様 従来企業は、市場に対してコミットした売り上げと利益を確保し、社内外のステークホルダーの期待に応えることを最優先事項としていましたが、近年は、ESG開示やサスティナビリティ・ダイバーシティへの取り組みなど、「社会に対する貢献度」をはかる幅広い指標で企業が評価されるようになってきました。 このような流れのなかで、企業経営におけるD&Iのプライオリティがより一層高まるだろうと思っています。

※wiwiwによる注釈:
2021年にコーポレートガバナンス・コードが改訂され、「企業の中核人材における多様性(ダイバーシティ)の確保」が追加された。具体的には、追加された内容は以下のとおり。

<コーポレートガバナンス・コード 補充原則2-4①>
上場会社は、女性・外国人・中途採用者の管理職への登用等、中核人材の登用等における多様性の確保についての考え方と自主的かつ測定可能な目標を示すとともに、その状況を開示すべきである。 また、中長期的な企業価値の向上に向けた人材戦略の重要性に鑑み、多様性の確保に向けた人材育成方針と社内環境整備方針をその実施状況と併せて開示すべきである。

「ウイングアーク1stとしてこうありたい」という姿を明確に思い描き、それを実現するための目標を定める

wiwiw D&Iを推進するにあたって、苦労したことはありますか?

鹿島様 たくさんあります(笑)。まず、D&Iの概念を理解できても、では何をすればいいかと考えたときに、具体的な行動に落とし込むのが難しいことです。社員にもそれぞれにさまざまな思いや環境・状況があるので、組織のなかで共通の理解を浸透させることはとても難しく、今でも悩んでいます。また、D&Iは短期的に結果が出るものではなく、取り組みが中長期にわたるため、そのなかで焦りを感じることもあります。
そのような背景から、D&Iの目標は、経営陣と議論を重ね、時間をかけて策定しています。他社をまねるのではなく、「ウイングアーク1stとしてこうありたい」という姿を明確に思い描き、それを実現するための目標を定めることが、その後の共通意識の醸成にあたって重要だと考えています。

吉田様 サステナビリティの観点で、自社が社会の公器としてどうあるべきかを考えたときに、D&Iは重要なパートだと考えています。弊社の場合、女性ユーザーも多くいるにもかかわらず、開発部門に女性エンジニアが少なく、その点を課題と感じています。実態として市場に女性エンジニアが少ないという事実はあるのですが、一方で、弊社の良さ(例:働きやすさ等)を女性候補者に訴求しきれていない部分もあるので、その点は努力しなくてはいけないと思っています。 そのためには、ダイバーシティ推進部門だけではなく、経営層・部門のリーダー・社員の一人一人がD&Iを自分事として取り組む必要があると思っていて、現在啓蒙活動を行っているところです。

女性活躍推進アドバイザリーパックを導入して

鹿島様

wiwiw 取り組みを進める中で、弊社の「女性活躍推進アドバイザリーパック」を導入いただきました。導入の決め手は何ですか?

鹿島様 一般的なD&I施策に準じた取り組みをするのではなく、自社に必要とされている取り組みをすることで最大限の効果を出したいと考えていて、そのためにまずは自社における現状の課題を正確に把握する必要があると思っていました。 以前、社内でD&Iに関する理解度をはかるための簡易アンケートを行った際に、自身が想定していたものとは違う結果が出てきたこともあり、しっかりと現状を把握したうえで、施策検討に移りたいと考えていたためです。
そのなかでwiwiwのサービスの導入を決めた理由は以下の3点です。

  • D&I推進のための施策に関するサービスはたくさんあるが、女性活躍推進アドバイザリーパックのような課題を抽出するサービスは珍しかったこと
  • 課題抽出に時間をかけず、できるだけ早く施策検討に移りたいと考えていたため、4ヵ月間でアンケート実施~結果分析~課題抽出~アクションプランの作成まで終えられる点にニーズがマッチしたこと
  • 社員に負荷のかからない範囲でのアンケートを実施したいと考えていたため、女性活躍推進アドバイザリーパックの設問数が適切だと感じたこと

wiwiw 課題分析やアクションプラン作成の中で新しい気づきはありましたか?

鹿島様 女性社員が昇進昇格において不利だと感じていることやサポート的役割を好む傾向があることが管理職昇進意欲において課題となっていること。また、社会構造的な課題でもありますが、自社においても家事育児負担は圧倒的に女性の方が多く、女性の意欲だけでは解決できない問題もあることが明らかになりました。男性の家事育児参画や介護との両立支援など、女性だけではなく、男性も含め社員一人ひとりが自分事として課題感をもってもらうような施策が必要であると感じました。

wiwiw 弊社サービスをご活用いただくにあたり良かった点や、ご満足いただけた点があれば教えてください。

鹿島様 主には以下の3点です。

  • 社内周知用のメールテンプレートがある等、事務局側の運用負荷が軽減できる仕組みがあったこと
  • 導入までのスケジュール管理やアンケート項目設計等について適切なアドバイスがあった他、自社の状況や意図を考慮しながら、パッケージの範囲内で柔軟に対応してくれたこと
  • 定量的で詳細な分析データと、課題に対する定性的な分析レポートがもらえたこと。客観性を持って示されるデータであるため、偏った思い込みが排除でき、説得力がある点にも満足しています

特に3点目の課題分析レポートについて、一般的なアンケートでは各設問に対するYes/noしか把握できないですが、wiwiwはクロス集計でデータ分析を行うため、データの組み合わせでより詳細な情報を拾うことができ、満足しています。

吉田様 仮説提案とディスカッションのセッションを何回か繰り返して実施してもらったことが、理解を深めるうえで非常によかったと思っています。

wiwiw 最後に、wiwiwのサービスについてご感想をお願いします。

鹿島様 今回、女性活躍推進アドバイザリーパックの調査を実施したことで、課題の本質を見える化し、それらに対応する適切な施策を検討することができました。今後も今回のように、施策の提供だけではなく、自社特有の課題の洗出しや目標設定の方向付けなど含めた伴走型のサポートを期待しています。

wiwiw 貴重なお話をありがとうございました。

<担当コンサルタント コメント>
ウイングアーク1st 様は、「The Data Empowerment Company」を掲げた企業様ということで、課題分析レポートをご提供するのはこれまでにないプレッシャーでしたが、「短期間で詳細なデータをいただいた」とご評価いただき、安堵しました。今回、初回セッションから、吉田様、鹿島様の中には課題感やそれに対する仮説があると感じました。それが数値となって裏付けされ、お二人の感じている課題やこうしていかなくてはいけないという思いを言語化するお手伝いが少しでもできていればうれしく思います。 全てのセッションに、吉田様、鹿島様のお二人にご参加いただき、忌憚のないディスカッションの中、合理的・論理的に即決断がされていきました。そのスピード感に爽快感さえ覚え、急成長中の企業様の実力を肌で感じる貴重な経験となりました。 D&I推進は重要な企業戦略であると心から考え、真摯に取り組まれていたご様子に、今後しっかり成果を出していかれると確信しております。ありがとうございました。

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