導入事例

左から:麻生様、小西様、齋藤様
wiwiw導入事例
第15回
オムロン共済会ウィズ
事務長 主査
小西 史恵 様

オムロン共済会ウィズ様は、オムロングループの社員一人ひとりが、家族と共に仕事と生活の『ありたい姿』を⾃律的に考え活躍できるよう、さまざまな取り組みをされています。2021年10月には、個々人のニーズ・事情に対応できる福利厚生制度の活用支援体制を強化するために、新たに“福利厚生のワンストップサービス”を発足されました。グループの長期ビジョンの一重点領域である「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の加速」に向けて、共済会として多様な人財が多様な働き方で活躍し事業に貢献できる環境づくりを進めていらっしゃいます。
今回は、ワンストップサービスの立ち上げ、重要課題に対する施策、今後の展望についてお話を伺いました。

社員満足度の向上および人的経営課題解決への貢献を目的に、ワンストップサービスを立ち上げ、重要課題を設定

小西様

wiwiw オムロングループ全体の経営戦略におけるダイバーシティ推進の位置づけと、共済会が取り組む“福利厚生のワンストップサービス”について教えてください。

小西様 オムロンでは、2030年のありたい姿に向けた長期ビジョン「Shaping the Future 2030」を掲げ、その1stステージにおける重点領域の一つに「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の加速」を定めています。
オムロンがD&Iの加速で目指すのは、社会的課題の解決を志す、スペシャリティを備えた多様な人財が集い、一人ひとりが主体性をもって能力を発揮し続ける集団です。このありたい姿に向けた施策の一つに、「多様な人財のさらなる活躍に向けた環境整備」があり、福利厚生と大きく関わっています。

SF 1st Stage全社方針・グループ戦略

福利厚生は、会社の継続的成長に向けて社員が安心して日々の業務に向き合うためのベースとなる重要な要素です。共済会では、「社員一人ひとりが、家族と共に仕事と生活の『ありたい姿』を自律的に考え、その実現に向けて福利厚生メニューを有効活用してほしい」という思いを込め、2021年4月に「Withワンストップサービス」(略称:Withワン)を立ち上げ、同年10月からさまざまな取り組みを行っています。

Withワンの目指す姿は、全ての福利厚生メニューの一元的な支援主体となり、オムロングループ全ての社員・家族に対して効果的・効率的なサポートを実現することにより、社員満足度の向上および人的経営課題解決に貢献することです。そのために、タイムリーで効果的な情報提供や社員への個別サポートと制度活用促進のための啓発支援の役割を担っています。

wiwiw Withワンの立ち上げの背景と重要課題をお聞かせください。

小西様 立ち上げの背景になった問題点と課題認識は、以下のとおりです。

①福利厚生に関わるQCDの確保・向上による社員満足度の向上

  • 各社・各事業所単位での知識やノウハウにばらつきがあるため、グループ全社員に対して一定水準以上のサービスを提供することが難しい。
  • 問い合わせ窓口が分からずたらい回しにされる、期待する回答を得られないなどの不満が生じているケースがある。

②福利厚生に関わる人的経営課題への対応
  • 社会経済環境変化や人事施策の変化を踏まえた重要課題解決に向けた取り組みを推進するプラットフォームを確立できていない。

重要課題には、以下の3テーマを設定。

  • 2022年の法改正により注目されている「男性育児休業取得促進」
  • 今後ますます自社の重要課題となる「仕事と介護の両立支援」
  • 退職後も含めて生涯安心して生活するための「確定拠出年金をはじめとする自律的資産形成」

重要課題(仕事と介護の両立、自律的資産形成)に対する施策

wiwiw 重要課題に対してどのような施策を実施しているのでしょうか。

小西様 一例ではありますが、これまでに以下のような施策を実施しました。

  • 仕事と介護の両立、男性育休取得促進:
    実態調査、両立支援セミナ、両立支援ガイドブックの制作・配布
  • 確定拠出年金をはじめとする自律的資産形成:
    確定拠出年金制度に関する学習動画の制作、全社員を対象にしたeラーニング、“ありたい姿”実現のための半日研修

この中から、「仕事と介護の両立」と「自律的資産形成」に関してお話しします。

<仕事と介護の両立>
当社では、2015年に初めて全社員向けに介護実態調査を実施し、2021年に2回目の調査を行いました。その結果、回答のあった約7割の社員のうち、95%以上の社員が将来の介護に不安を感じており、また、実際に介護に関わっている社員の多くは上司に相談されているということがわかりました。
これにより、2022年には介護への不安の低減を目的にした希望者向けの介護セミナ基礎編および中級編と、部下の身近な相談者である上司が、部下の状況を把握しながら日々行うべきマネジメントを学ぶことを目的にした経営基幹職・主査/リーダー層向けの『部下の仕事と介護を両立するためのマネジメント研修』を実施しました。

経営基幹職・主査/リーダー層向けの『部下の仕事と介護を両立するためのマネジメント研修』概要

介護セミナの参加者からは、「介護制度について大変勉強になった」「事前に知識を得ることによって心の準備が少しはできた」「全部は覚えられなくても、こういう制度が有るんだという理解をしていれば安心」などの声が多くあり、介護に備えて必要な知識の習得ができました。
また、マネジメント研修の参加者からは、個人ワークを通じて、「部下が相談しやすいように普段からコミュニケーションを増やしていく」「職場で介護のことを話しやすい雰囲気づくりをしていく」といった宣言が多くあり、誰もが活躍し続ける環境づくりのための第一歩になりました。今後も、D&Iの早期実現に向けて、継続的に学習機会を提供していく予定です。

<自律的資産形成>
50歳半ばの社員を対象に、人生100年時代におけるセカンドライフのありたい姿の実現に向けて現状を棚卸し・自己評価するとともに、社内の支援制度を理解することを目的とした半日研修を実施しています。研修では、お金、健康、生きがいといった有形資産だけでなく無形資産についても、QOLやウェルビーイングの視点で見つめ直し、会社を卒業するまでに自律的にありたい姿の方向性を決められるよう意識づけを行っています。1回あたり約80名の受講者(配偶者も受講可)に向けた社内外の専門家を招いての講義は、満足度の高い内容になっています。
今後は全世代に展開し、豊かな人生を送るために社員自身が自律的に考えて行動することができる学習機会を提供していきたいと考えています。

今後の展望について

wiwiw Withワンの取り組みにおいて今後の課題を教えてください。

小西様 誰もが福利厚生制度をフル活用し、多様な人財が多様な働き方で活躍し事業に貢献できる環境を作るために、今後もD&Iを加速するための取り組みを行っていきますが、直近の課題は社員への認知度向上やグループ会社の人事部門との連携強化、担当者の専門性の深化になります。
Withワンには、社員からの個別相談を受けることで潜在化している問題を吸い上げ、会社に提言するというミッションもあります。Withワンの活動対象範囲は国内グループ約30社に渡るため、私たちのパートナーであるグループ会社の人事部門との連携をより強化し、グループ全体で課題を解決していくことが重要と認識しています。
現在は、社員からの問い合わせ内容に応じて適切な部門に繋ぐという百貨店のサービスカウンターのような動きに留まっていますが、社員の窓口である人事部門と情報を共有・一元化することでさまざまなノウハウを蓄積し、最終的には社員のためのコンシェルジェになることを目指しています。
Withワンの活動は2年目に入りました。何かに困った時の相談は増えてきていますが、もっと多くの人に知ってもらい、もっとWithワンを活用してほしいと思っています。そして、福利厚生制度を有効活用しながら自分の描いたありたい姿を実現している社員を増やし、Withワンをより一層の人財活躍に結び付く存在意義のあるものにしていきたいです。

wiwiw 貴重なお話をありがとうございました。

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