導入事例

左から:中谷様、荒木様
wiwiw導入事例
第18回
トヨタ自動車株式会社
人材開発部 人事室 人事・要員G
荒木 蒼子 様
人事部 総括室 DEI推進G
中谷 安里 様

トヨタ自動車株式会社様は、「自動車会社」から「モビリティカンパニー」への転換に向け、これまで以上に多様化するお客様の移動のニーズにお応えするために、多様な才能や価値観を持つ人材が最大限能力を発揮することを目指していらっしゃいます。
DEI推進のお取り組みと、全従業員の理解促進の足掛かりとして導入いただいたeラーニング※の導入背景と効果について伺いました。

※関連する/導入いただいた商品・サービス
実践!ダイバーシティ(基礎編)講座
ダイバーシティ・マネジメント(女性活躍編)講座

「全員活躍」というビジョンのもと取り組みを加速

荒木様

wiwiw 貴社の経営戦略におけるDEI推進の位置づけ、現状と方針・目標、これまでの施策や活動の内容について教えてください。

荒木様 当社は、自動車業界の大変革期の中、「自動車会社」から「モビリティカンパニー」への転換に向け、これまで以上に多様化するお客様のニーズにお応えするために多様な才能や価値観を持つ人材が最大限能力を発揮し新しい視点を活かしてイノベーションを創出していくことを目指しています。
今から2年前に、現会長の豊田より、「全員活躍」という言葉で社内にメッセージが発信されました。これまでは自動車会社として工業製品を作り続けてきましたが、現在は、お客様のニーズも社会のニーズも多様化し、モビリティにもハードとソフトの両面で魅力的な性能が求められています。それに伴い、必要とされる人材の特性も「均一性から多様性」へ変化していると考えています。
そこで、トヨタで働く一人ひとりが成長を実感し、働きがいを持てるよう、まずは「女性活躍」「障がい者雇用」「LGBTQ+」「両立支援」を大きなテーマとして、各種施策に取り組んできました。
(詳細はSustainability Data Bookにて公表しておりますので、よければこちらをご覧ください。)

wiwiw DEI推進を加速するきっかけについてお聞かせください。

荒木様 2023年、現社長・佐藤のリーダーシップにより、サステナビリティ経営に向けた全社重要課題の一つに「全員活躍」が位置付けられました。また、2024年には、全員活躍を実現する第一歩として女性活躍に関するコミットメントが出され、会社としての本気度が増したと感じています。現在は定期的に職場の実態や課題を経営チームと共有・議論しながら具体的な取り組みを続けています。

wiwiw DEI推進の成果は数字に表れづらいと思いますが、どのような方法で確認し、取り組みを強化されていますか。

荒木様 数字に大きな変化が現れるのには時間がかかると思いますが、継続的に従業員の困りごとや各取り組みへの受け止めを聞くほか、毎年実施しているサーベイを活用して職場の状況を定点観測することを意識しています。また、そのような動きを人事担当者だけでなく、本部長級やマネジメント級も主体となって行い、結果を共有することも大事だと考えています。
このように、会社の各階層のキーマンが全員活躍/女性活躍を自分事として捉え、行動に移していくことで着実に職場に変化が起こり、声を挙げた当事者の方々が、“声を挙げることに意味がある”と思ってもらえるといいなと考えています。

ダイバーシティへの理解の基礎を固める

wiwiw DEI推進を進めていくうえで、どんな課題がありましたか。

荒木様 まず、なぜDEIが重要であるかが、職場に正しく伝わっていないことが課題だと感じていました。頭ではわかっていても、「多様であることがいい」という成功体験がない中で、腹落ちするのは難しいですよね。「女性活躍」「障がい者雇用」「LGBTQ+」「両立支援」の各テーマにおいても、上司や周囲のメンバーが「知らない」「知識がない」ということに起因する、当事者からの悩みや困りごとが多く挙がっていました。また、マネジメントからも、社内外の環境変化により、組織づくりや人材育成等において従来と同じ手法とは異なる対応が求められ、戸惑いや葛藤を感じるとの声も出てきました。
世の中の環境変化も含め、“なぜ必要なのか”という大前提を理解し、DEIに関する基本的な知識を身に付けることが重要です。

wiwiw そうした課題がある中で、当社のeラーニングをご導入いただいた理由を教えてください。

中谷様

中谷様 2つのeラーニングをご提供いたただきました。
いずれも、さまざまなデータや事例が織り込まれていて、世の中の変化に関する解説や各テーマの課題提起が分かりやすく、DEIの理解促進につながると感じるご提案をいただいたことが導入の理由です。

実践!ダイバーシティ(基礎編)講座
 対象者:全従業員(準社員、嘱託、期間従業員、社外者(受入・研修受入・応援出向者・派遣社員)含む)
ダイバーシティ・マネジメント(女性活躍編)講座
 対象者:管理職

wiwiw 本研修を通じて良かった点や、ご満足いただけた点があれば教えてください。また、導入されてどのような成果が感じられましたか。

中谷様 4つのテーマのどれかに特化した内容ではなく、どのテーマも根本的な部分は共通しているということが伝わる内容であった点が良かったです。
受講者アンケートの結果では、両講座とも、「ダイバーシティの理解に役立ったか」という問いに対し、2年連続で90~95%の方が肯定的な回答を示しています。基礎編については、回答した過半数の方々が「ダイバーシティが経営戦略であること」「多様性がイノベーション創出のきっかけになること」「自分自身が偏見を持っていること」「コミュニケーションの大切さ」などの気付きや学びがあったようです。
また、ダイバーシティ・マネジメントを受講した方々からは、「多様性の価値を理解できた」「サポートや配慮をするうえで、コミュニケーションがより重要になると認識した」「自分の言動を反省した」といった声が多くありました。さらにより高い視座で「個々の価値観やライフスタイルの違いを尊重すべき」「キャリア意識も含めた育成が重要」といった声もありました。
当初ねらいとしていた、DEI推進における基本的な知識を全従業員に広く身につけてもらうことと合わせて、アンケートを通じて社員の声を拾い上げられたことも成果だと感じています。職場や個人によってDEIの認知や当事者意識に温度感の差があることも浮き彫りになり、その後の風土醸成施策の足掛かりにすることができました。

今後の取り組みについて

wiwiw 今後の取り組みについてお聞かせください。

荒木様 eラーニングによるインプットで知識をつけた後は、日々の行動に活かすために、アウトプットが必要と考えており、直近ではwiwiwの研修(管理職向けのダイバーシティ・マネジメント研修、女性向けのキャリアデザイン研修)を実施予定です。特に、DEIをよりいっそう推進していくには、マネジメントとメンバー双方が自身のアンコンシャス・バイアスに気付き、よりよい職場づくりのためのコミュニケーションを取り続けることが重要だと考えています。組織の状況や、一人ひとりの特性に応じた対応をしていくためにも、職場の課題に向き合い、研修の場で話し合える有意義な機会にしたいと思います。

中谷様 職場で行動を選択する際、頭では理解していても、従来の価値観や考え方に寄ってしまうことがあります。偏見や思い込みを100%無くすのは難しいですが、まずは理解し、気付き、他者を思いやりながらそれぞれの強みを活かし合うアクションが取れるようになることを目指します。そのためにも今後は、DEIを自分事として捉えられる機会を増やし、社員同士で気付きをシェアし学び合えるような場づくりを強化していきたいです。また、職場や職種ごとに求められる取り組みが異なっている部分もあるため、一律な施策ではなく、個々の理解度や状況に応じた取り組みが必要であると認識しています。
他社様のお話などを伺う中でも、特に「職場風土の改善」といった目に見えない・評価しづらい取り組みについては、短期的な成果にこだわりすぎず、地道に継続することが重要だと理解しています。5年、10年という中長期の期間を見据えつつ、社員の声やデータを参考に、改善と挑戦を重ねていきたいと思います。

wiwiw 貴重なお話をありがとうございました。

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